2004-06-09 22:31:41

ローソ9・トー9「非武装の可能性」報こ9 [ 9LOVEイベント&アクション ]

櫛渕万里さんと小林一朗さんをお招きしての9Loveイベント第2弾。
テーマはずばり、『非武装の可能性』。
5月3日のRevolution9からのメッセージを受け、今度は私たちで、
Candle Juneさんにもらった9本の大きな蝋燭をカフェテーブルに
ひとつづつ灯して、非武装についてディスカッションをしました。

十蔵と九助のモデルディベートで、護憲と改憲の論調を一通り
思い出したあと、ゲストトークへ。ami












●小林イチロウさん

・政治で実現したいことは?

組織に属さない多くの人が意見発信する場を設けたい。
たとえば外務大臣、環境大臣をNGO・NPOから出したい。
日本は、技術を生かして、環境立国すればいい。

・なぜ非武装なのか、自分の経験から

92年、ちょうど世界で初めての環境サミットがリオ・デ・ジャネイロ
で開催された年に、半導体技術研究の会社に就職。「アメリカの傘の
下で安心していられる時代はもう終わった」と実感。エンジニア
たちの貢献で日本という工業国の経済は成り立っていると思っていた。

環境問題を追求するうちに、日本を含め、地球はこのままではヤ
バイという実感がわく。そんな中、憲法は日本の暴走を止めていた。

「戦争とは何か?」と考えてみる。イラク戦争は戦争と呼びたくない。
侵略である。先進国同士で戦争をすることは、もうない。
なぜなら、先進国同士で戦争するのは「損」でしかないから。
人は、歴史的に見ても、利益がなければ戦争をしない。

・アンフェアーな経済と戦争

   経済のグローバリゼーションは、実は産業革命からはじまってい
  る。1800年〜19世紀半ばまでは「B to G (Business to Government
)」が経済の主流だった。産業革命の頃までは市民のものだった産
業を、産業革命によって政府がひっぱっていく時代になった。
   世界が市場になり、一国でひとつの工業製品を作れないようにな
  り、90年代にはそのグローバル化がどんどん拡大した。第1次産品
  が買い叩かれ、世界銀行やIMFは、途上国に高い利子で融資をして、
  先進国は人が死んでもお金を返すという状況を途上国におしきせ、
  るサラ金のような存在になっている。この不公正な世界経済システム
  の中、先進国と呼ばれる国はどんどんその経済を肥大化させている。
   
   経済の不公正さを維持するための(抵抗を押さえ付けるための)
  戦争が行なわれているのだから、戦争をなくすためには不公正な
  経済そのものを考え直す必要がある。

・「有事」の可能性

   日本を北朝鮮が攻めてきたらどうするのか、中国の脅威もあるの
  ではないかとよく聞くが、攻めてくることなどあり得ない。日本と
  の分業なしには中国は生き残れないので、その中国が日本を攻めて
  くることはないし、北朝鮮には日本を攻める余裕がない。「有事」
  を想定して戦力を保持しようとする日本だが、有事法制は有名無実。

・莫大な軍事費は国を滅ぼす=非武装が日本の生きる道

   アメリカの軍事費は、現在3700億ドル。これは、日本の税収とイ
  コールの膨大な額。歴史的に見ても、軍事費に足を引っ張られて国
  が破綻するケースは多い(スペイン、ポルトガル、オランダ、イギ
  リスなど)ので、実は非暴力がいちばんコストが安いと考える。不
  公正な経済を維持するために覇権を維持して戦争に勝ち続けたとし
  ても、このままいけば2050年には搾取する地球環境もなくなってい
  る。戦争をしている暇はない。


●櫛渕万理さん

・有事はない、と言うが、本当にそうか?

   戦争の危機はある。ただし、北朝鮮ではなく、べつの場所に。
  アジアの中では90年代に終わったはずの冷戦が続いている。たとえ
  ば、?中国と台湾の分断、?南北朝鮮の分断、?北方四島の問題、
  ?ほかにも尖閣諸島など領土のあいまいな島々がいくつも存在する。
  中国・台湾はつねに緊張関係が続いていて、アメリカは台湾に大量
  の武器を輸出しているし、朝鮮半島では今も38度線の両側に兵士が
  いる。北方四島に関しても、日本とロシアはいまだに平和条約をむ
  すべないままでいる。
   戦後、真実究明委員会を設置するような国もあるが、アジアでは
  歴史の清算もされないままの冷戦が続いていて、さらにそこに経済
  のグローバル化の問題が出てきた状態。もういちどアジアの中で戦
  争が起こる前に、手を打たなくてはならない。

・非武装にビジョンを

   ピースボートでは、北朝鮮とも顔の見える交流を続けてきて、今
  までに2000人と一緒に日本から北朝鮮を訪問した。人と人との関係
  を築き、現状を知ると、唯一の道が非武装、非暴力である。
    非武装、非暴力は「理念としてはいいけど」と言われるが、
  日本はそれを実際に憲法として持っている。だから、憲法をなんと
  なく持っているのではなく、きちんと守られた場合の国の形を想像
  して、実現していくことが必要だと思う。

   イラクへの派兵も、自衛隊を持つことも、あきらかに憲法違反で
  あるけれど、ただそれに反対するのではなく、自衛隊がなくなった
  ら、その予算をどう使うのか。日米安保がなくなったら、安全保障
  をどうするのか。攻められたらどうするのか、といったビジョンを
  結実するためのプロジェクトを呼びかけて、実行する時期にきてい
  るのではないか。

・非武装は最大の安全保障

   9条は、日本の安全保障である。軍事力=安全保障とは限らない。
  非武装であることがどれだけ強い安全保障になるのか、その可能性
  を追求していきたい。

   そのためにもう一度、なぜ9条ができたのか、背景を考え直す必
  要がある。アメリカに押し付けられた憲法だから、改正したほうが
  いいという議論があるが、「なぜ」アメリカに押し付けられたのか。
  第2次世界大戦の日本のアジア侵略で、アジアでは2千万人、日本
  では3百万人が死亡した。そんな大きな国家犯罪を犯した日本とい
  う軍事国家を解体するため、アジアへの安全保障として、憲法9条
  ができたのではなかったか。

   憲法前文には「For People(人々のための)」という記述がある。
  それを日本政府が「日本国民は」と訳してしまったが、そもそもは
  (外国人も含めた)すべての人々のための安全保障憲法だったはず。

・憲法とはそもそも何のために

   憲法とは、国家権力を制限するための決まりごと。市民と国家の
  契約のようなもの。法律には「人を殺してはいけません」と書いて
  あって、人を殺してしまったら重い罰則があり、場合によっては死
  刑になる。一方で、国に対して「国家も人を殺してはいけません」
  というのが9条ではないか。個人だったら死刑になるのに、国家な
  ら、戦争だったら、人を殺してもいいのか?
   国家は、もちろん規則にしばられたくないから「改憲」を言うだ
  ろう。でもそれを市民が許すのは、安易すぎはしないか?

・アジアの非武装の平和のために、具体策は?

   提案?東アジア非核地帯条約:6カ国協議を行っている国々で、
  アメリカも含めて、6カ国で東アジア平和条約を結ぶ。
  理想主義的と言われそうだが、実はこれはそう難しい話ではない。
  日本には非核3原則があるし、朝鮮半島でも92年に朝鮮半島非核
  宣言を出している。これをベースに、すでに東アジアのNGOが集
  まって討議を進めていて、国連につながる国際会議「武力紛争予防
  のための市民社会の役割 - 東北アジア地域協議会」で、モデル条約
  として採択されている。

   提案?地域の歴史記憶の共有化:日本の教科書で見る第2次世界
  対戦と、韓国の教科書のそれとは全然違うものになっている。歴史
  認識が共有できないうちは、共通の未来や地域全体の安全保障を作
  っていくのが難しい。東アジア各国からの代表で構成して真相究明
  委員会などを設置し、アジア共通の歴史教科書を作ってはどうか。
   提案?アジア地域全体の憲法9条を作る:地域全体の安全保障と
  して、9条のように条文化されたものを採択する。


●対談 9:9LOVEからの「9エッション」

9:小林は「戦争のコスト」は割りにあわないというが、
  櫛渕さんのいう「アジアの危機やアメリカの影響」もある中で、
  具体的にどんな政策をとっていくのか、教えてください。

イチロウ: まずは「アメリカと一緒にやっていくしかない」という発
     想をどう変えるか考えなくてはいけない。そのためには、ア
     ジアとともに進むしかないが、戦後60年間「アジアととも
     になにができるか」という政策は、なにもしてこなかった。
     日本は今後世界でどんな国としてあるべきか。環境立国する
     しかないのではないか。

      数年前のアメリカで、バイオスフィアという、生態系を自
     ら作ってコントロールしてみようという実験が行われた。そ
     の失敗で、人間は環境を管理することはできないと判明した。
     それならば、日本は、日本に昔から続く町工場の技術を使っ
     て環境立国し、世界にそれを広めていってはどうか。そして、
     日本からアジアへ、の流れを作るにはEUのように共通の歴
     史教科書を作ったりすることで歴史認識を共通のものにする
     ことが不可欠である。

櫛渕: 日本が今後、世界の中でどんな国であるべきか、と言うが、そ
   の逆も大切。世界に日本はどう見られているか。この認識が欠け
   てはいけない。
    たとえば、板門店に立ってみる。韓国と北朝鮮の間の38度線に
   は、いまだに毎日兵士が立っている。そんな緊張した状況の中、
   韓国や日本から、いったいいくつの銃口が北朝鮮に向いているか。
   実は、スカッドミサイルが500発、さらに中国やロシアの核兵器も
   つねに北朝鮮に向けられている。
    日本の人は「北朝鮮がこわい」と言うが、北朝鮮の人こそ、ど
   れだけ日本をこわいと思うか。その半端ではない恐怖を、どうな
   くしていくか。努力と提案を続けなくてはならない。

    日本への恐怖に関連した余談:以前日本の政治家が「北朝鮮が
   韓国に攻め込んだ場合、日本政府は邦人救出のために必ず韓国に
   行く」と宣言した。そのとき、韓国政府が「日本は韓国に軍隊を
   送ってくれるな。もし日本の軍隊が朝鮮半島に来るというような
   ことがあれば、その瞬間に韓国は北朝鮮と共同戦線を組んで、戦
   力を駆使して日本の軍隊を追い出しにかかります。」と言った。
   アジアが持っている日本への恐怖の大きさは、そこまできている
   のかと感じた。

9:国会が「最大多数の国民の利益を追求するために」といって改憲
  主義をとっているなか、非暴力は本当に、実際に、実現可能?

イチロウ: 国民の利益、国益を追求するために石油のある場所にでて
     いく。そのために戦争をする、という流れがあるが、そもそ
     も脱石油の世界が可能であれば、戦争もなくなり、非暴力が
     可能になる。日本にとって、脱石油の生きかたは完全に可能
     であることは間違いない。開発がどんどん進む燃料電池は今
     後の切り札になるだろう。ただし、問題は石油を基準に経済
     をまわしている中東のほう。中東は、石油なしにどう生き残
     るか。

9:最後に、もし本当に、たとえば北朝鮮に攻められたらどうするかと
  聞かれたら、どう答えますか?

イチロウ: はじめにも言ったとおり、経済的にも、北朝鮮が日本を攻
     めるという発想自体が非現実的であり得ない。

櫛渕:   北朝鮮のGNPは2.3兆円で、これは山形県のGNPである
      4兆円よりも少ない。どうやって日本を攻めるのか。

改憲して「普通の国」になろう、という議論があるが、原点に
   戻って考えてみたほうがいい。国家が暴力装置(軍隊)を配備す
   ること自体がそもそも異常であって、その前提を変えていかなく
   てはいけない。でもそのためには、単に自衛隊に反対しているの
   ではダメだと思う。ひとろひとりが持っている「守りたいもの」
   を軍隊ナシでも守ると言い切れるのか、そこにひとつ覚悟が必要。

    さらに、軍を持たないからと言って自衛権を捨てるわけではな
   いことも確認が必要。自衛隊を持たなくなるのであれば、誰が自
   衛に責任を持つのか?国家なのか、個人なのか?個人であるなら、
   抵抗権の話から、市民安全法ができることもあれば、民兵のよう
   なものが組織されてしまうかもしれない。

    だから、どんな方法で安全保障を確立するのか、具体策を提案
   していく必要がある。ひとつの具体策として、外務省と防衛庁を
   廃止して、かわりに安全保障省を作ろうという案がある。安全保
   障省の中には軍縮課や紛争予防課を作り、日本だけでなくアジア
   全体、世界全体の平和を非暴力で達成するために動いてみてはど
   うか。

そして9つのテーブルに分かれ、5/3にCandleJuneさんにいただいた
9本のローソクを灯し、参加者ひとりひとりが、非武装のための
「ひとりひとりの自衛」についてディスカッションをしました。




顔を合わすのも初めてな人たちでディスカッションをしたのですが、
最後に一グループづつに俳句(ハイ9)を書いてもらいました。
9位(優勝)は「国脱ぎ捨てて 人々あり 山河あり」です。

この元の詩「国破れて山河あり」をよんだ時(杜甫だっけ?)
戦争に負けてふと、山や河という大地の環境がそこにあるだけっていう
景色に帰る所にすごい「力の抜けたパワー」を感じたのを思い出しました。
戦争のくだらなさと、そこにある自然の確かさみたいものの対比に打たれ
てしまう人間の横で、緑は勝手ににょきにょき伸びている感じ。非武装、
環境立国、ひとりひとりの態度、アジア、地域でのつながりという今回
のキーワードにも、言葉でなく感覚としてこの句はつながっている感じがします。

今回は、具体的に非武装の政策などを話す場でもっともっと深める必要が
ありそうですが、俳句でみえる景色のような、非常に曖昧なことがら、
「ビジョンとか感覚みたいなもの」を共有することも、ひとりひとりが
どう「自衛」するか考え行動するのと同時に重要な、非武装への具体的な一歩だと思いました。

=みんながつくった俳句=

ショ9 エネ 自9 アジアとキョウリョ9 それが日本の生きる道

国脱ぎ捨てて 人々あり 山河あり

学9で 平和の9を 広めよう

非暴力 家から 日本から 世界から

ひとりひとりの非武装を

蝋燭を囲んでひとつの輪をつくろう

国を越え みんなで銭湯 入ろうよ

自分から思い出そうよ地球の色

自衛隊レス9隊になっちゃおう

PR お金をかけて 近現代史 卑弥呼はいいから 昨日から

イマジンで 地球に笑顔 増やしたい



9LOVEの構成団体であるBody and Soulの黒米も使った、
ゆりか&みはるによる9の形の海苔つきおにぎり。
くるみと雑魚のおにぎりが最高でした。
9×100くらいありました。一緒ににぎってくれたみなさんもありが9。



最後にイチロウさんが「武道と非武装」について語るところ。

今回いただいた3人の方からの感想をお届けします。
参加できなかった方、こんどは是非おこし下さい。
やはり「場所の力」というものは、大切です。


お名前・ペンネーム(かねやん)
九助ですか、十蔵ですか?(精進して、九助になりたいです)

1)今回のイベントの率直な感想 非武装の可能性について思ったこと など

時間が足りん。
けど、知らない人と話せたのはすごく良かった。
非武装による安全保障について、具体的に考えて行くという話は、
おざなりに見落として来た自分を再発見させました。

たしかに非常に重要な一点と思います。
世界中の人が、軍備増強や戦争による安全保障に替わるアイデアを
ひとまずのまず、ひねりだしていこうとする姿勢を持ち始め保ち続ける事。
それが、人間の短い歴史の延長上で、まだまだこれからも先があるんだよという
精神的成長・発達、前向きな未来を手探りしていくのにとても有効で、
必要な事だと思いました。
旧来の安全保障の考え方を無条件に堅持する人らも、
選択肢そのものを自分自身で創り出して行く努力を怠っていては、
どうしょうもなくあかん諦め閉塞状態→破局に呑み込まれるやろ。と。


ペンネーム(peach*girl)
九助ですか、十蔵ですか?(九助)

1)今回のイベントの率直な感想 非武装の可能性について思ったこと など

とても勉強になったし、おもしかったデス☆
ただもう少し難しくなかったらよかったです。
私はまず、日本がどうして9条を持ったのかをみんなが知るべきだと思いました。
今、きっとその辺が忘れられてしまっている気がしました。
後は、今の日本の教育が目に見えて日に日に悪くなってるため、
子供のうちから、何が大切な事か,何が間違ってるのか分からなくなってしまってき
ているため、その辺をどうにか出来たらいいと思います。

お名前・ペンネーム(真下智昭)

九助ですか、十蔵ですか?(十蔵)

1)今回のイベントの率直な感想 非武装の可能性について思ったこと など

ゲストのお二人から、テーブルで一緒だった方から、自分がこれまで知らなかった観点の話をいくつも聞けて、自分の常識をひっくり返されたような気分ですが、素直にそれは嬉しく思っています。もっともっと話できたらよかったと思いました。時間が短かったです。
小林さんの話はすごく納得いきました。なぜかというと政治・経済・国際社会などの話をベースとして、「非武装」を説明されたからです。自分にはしっくりきました。
ただ、非武装がいいのはわかりますが、心底納得できていないのも確かです。それがなんでかは今はわかりません。もっと勉強してみたいと思っています。

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